フラワーアレンジメントを習っていたときの話 講師編

お花

前に書いた「かけもち編」の京都のスクールの研究科を終えてから、大阪のスクールだけは趣味で続けていました。

30歳になった頃、そのスクールの先生から「代表が呼んでいるから」と別室に案内されました。

えっ?代表から直接話ってなんだろう??と思っていましたが、

そこで代表から言っていただいたのは「講師をやってみない?」ということでした。

そのスクールのインストラクターコースを受けることが条件でしたが、毎年インストラクターコースには30~40名が受講していて、そのスクールの講師になれるのは2割程度だけど、受けたら一応採るつもりでいるようなことを言っていただきました。

そのスクールの先生は昔生徒だった人しかおらず、「代表が呼んでいるから」と言ってくれた先生が私を次の講師候補の一人として推薦していただいたとのことでした。(10年以上も通い続けていたからだと思うのですが…)

大勢の前で話すことが苦手な私は今まで講師になりたいと思ったことはありませんでした。

でも、お花にかかわる仕事ができるということはとても魅力で、副業でいいこと、アシスタントのときは割と少人数の前でしか話さないようなので受けたい気持ちがわいてきました。

Weddingフラワーへの転職を悩んで諦めたとき、兄が私に「チャンスは1度しかないわけじゃない」と言っていたのを思い出しました。

これが2度目のチャンスなのかな~とも思い、インストラクターコースを受けることにしました。

NFDは古い内容での試験で1級を取得していたので、新資格の内容も3級から全て学び直しました。

新しい内容の方が実践的で以前から興味もあったので受講してよかったと思いました。

約1年のコース受講後、スクールの講師としての合格通知をいただき、NFDの講師資格も取得しました。

NFDの講師資格は確か3日連続で3級から1級までの試験の内容の一部を受講し作品を作るという内容でした。最終日は理事長から直々のお言葉などもありました。

そんな経緯を経て31歳になったころから副業で土曜日だけ講師の仕事をすることになりました。

本業では中堅になり教えることも多くなっていたので、副業で初心の気持ちで学びながら仕事ができることが新鮮でした。

その頃は厄年の大殺界で、これがどうか夢であって欲しいと思うくらい辛いことがあった時期でした。

死にたいとまでは思いませんでしたが、後で思えば軽い鬱状態だったと思います。

そんな状態でも仕事はなんとか休むことなく行けていましたが、仕事をしていても辛いことが何度も蘇り、希望も失っていて暗闇の中からずっと抜け出せず、何かを楽しむ余裕もなく生きているだけで精一杯でした。

本業も人が減っても補充はないし、どんどん仕事が増えて帰る時間も毎日遅くなり、更に忙しい部署に異動になったりするけど評価は全然上がらず、年下の男の子達がどんどん上がっていることに理不尽さも感じていました。

色々頑張ってきたつもりなのに自分には何もないような喪失感もありました。

周りはどんどんステップアップで転職したり、結婚したり、子供ができたり着々と人生設計して進んでいる。

なのに自分は遠回りしながらも、なんとか希望した道を進んでいると思ったら、振り出しに戻るようなことが起こったり、そこからやっと立ち直って前に進め出したと思っても足踏みしているだけで前に進めていなかったり…というようなことを感じていました。

講師の仕事を始めた頃は色々大変な時期でとにかく生きること、仕事を頑張ることに一生懸命でしたが暫くして少し余裕ができてからはお花の講師の仕事をできていることが今の自分を支えてくれているのかも知れないと思うようになりました。

副業は月2回くらい土曜日の3~4時間、多い日で5時間くらいの仕事だったので月の収入は1万円前後でした。シフト制で他の先生達も入られるので時期によって少なかったり多かったりという感じです。その収入は自分のお花のレッスン代で消えました(笑)。

代表は「教える以上学び続けること」という考えで、私もその考え方には納得できました。

講師を始めたことで、お花をずっと続けていて本当に良かったと思うようになりました。(お花には既に300万円以上使ってきたので、お花をしていなければその分も貯金できていたかもしれませんが、良い自己投資になったのかもしれないと思えるようになりました)

講師をやって一番良かったと思えたのは、そこで多くの先生方と出会えたことです。

月1回講師会という場で会うこともあるし、アシスタントとして同じレッスンに入って会うこともありました。同期の子とは仲良くなり、プライベートでも遊びに行くようになりました。同じレッスンに入れた日は終わってからお茶したりご飯に行くこともよくありました。

ベテランの先生方は尊敬できる方ばかりでした。

とにかく活けるお花が綺麗なのは勿論なのですが、人徳と言うか、人柄が素晴らしい方ばかりでした。

話が面白くて楽しい人、格好いい人、美人で品がいい人など、色んな先生に出会いました。

これだけ女子ばっかりの職場だと派閥とか色々ありそうですが、先生同士の仲も良く平和でした。(転職希望で行ったWeddingフラワーのアトリエは派閥とかいじめとか感じたのに💦)

本業は仲の良かった先輩たちは辞められていたし、私が先輩のような感じになっていって後輩の方が多かったので、尊敬できる先輩のいる職場が嬉しくもありました。

副業にもやりがいを感じていましたが、一人暮らしで生活費に余裕がなくなってきたことと、本業の東京へ転勤の話も考え始めていたので6年ほどで辞めることになりました。

講師の仕事は私にとってとても貴重な経験になったと思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました